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琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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琉球舞踊「真木の会」

志田真木1



6月5日 国立劇場おきなわ

第64回文化庁芸術祭優秀賞を受賞した志田真木さんが国立劇場おきなわで独演会を開きました。
≪全体の構成を考慮し、琉球舞踊の小宇宙が展開された公演であった。殊に「伊野波節」は憂いの表情が前曲との対比でより明確となり入羽の白雲手は女の情念を激しく表現し、清楚さと凛とした気品で女踊の難曲を好演した。「千鳥有情」は沖縄女性と千鳥との対話を通し生あるものの心を描き、普遍的な拡がりをもつ優れた新作となった。≫
と高い評価を受けただけに、期待も高まるのでしょう、沖縄での『凱旋公演』はソールドアウトの人気ぶりでした。

3歳から母である志田房子先生に師事している志田真木さんは、数々の受賞歴を誇り、同世代の舞踊家の中ではトップクラスの評価を得ています。評判にたがわず、舞台に立つ姿は美しかったです。磁器の人形のようでした。繊細でなめらかで、ほのかな輝きがあって、でもどこかに硬質で体温が感じられないところもあります。

先日亡くなった井上ひさしさんが、≪書き手と言う発信機が送りだしてくる電波=文章を、受信機=読者がしっかりと受け止めること、これが読書である≫と書いています。膨大な読書量で知られる井上さんは≪「理解できないのは、おもしろいと感じないのは、自分の受信能力に問題があるのではないか」と自己点検の余裕をもつことも大切ではないかとおもわれる≫と続けています。
舞踊の観客にも通じる言葉ではないかと思います。受信能力を磨かなければと自戒しつつ、真木さんの踊りを受け止めるには、力不足な自分を感じました。

真木さんの踊りは、普段見ている琉舞とは異質な美しさです。たとえば「伊野波節」。2月に見たときよりはテンポも上がって(ちゃんと走った)、独特の結界も緩くなったように思います。どこか、地唄舞を彷彿とさせる繊細な魅力でした。紅型幕を鳥の子の屏風で覆った舞台装置(沖縄の伝統の上に大和の色を上掛けする?)に映える踊り手であることが、真木さんの個性なでしょうか。
「花風」も洗練され、良家の子女のよう。志田房子先生の濃密な気と比べると、そっけないようにも思います。
志田房子先生が師事したこともある西村守模先生が、根路銘房子時代の「花風」を評した詩人の言葉を肯定的に引用しています。
≪地元の美しい花風を見せてもらったが、技巧的には非常にすぐれているが、南国特有のあでやかさがない≫
 志田房子先生の「花風」は現代の踊り手の中では最高のものの一つでしょう。ここまで来られるのにどれほどの努力があったのか想像もつきません。師匠の後を一心に追い続ける志田真木さんが、どのような進化をしていくのか、自分の受信能力を高めながら、注目していきたいと思います。
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