はりくやまく

琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏はもうすぐ?

首里城の北のほうに、虎頭山という小高い丘があります。松林が広がり、王様の憩いの場でもあったという首里八景のひとつです。今は公園になっていて、佐藤惣之助の詩碑が立っています。宜野座でキャンプを張る阪神タイガースの応援歌「六甲颪」の作詞などで知られる佐藤惣之助は、「おもろさうし」好きでもありました。公園の詩碑は、沖縄への旅をもとにした「宵夏」の一節です。

「宵夏」
しづかさよ、空しさよ
この首里の都の宵のいろを
誰に見せよう、眺めさせよう
まつ毛に明星のともし灯をつけて
青い檳榔樹の扇をもたし
唐の若い詩人にでも歩いてもらはう
ひろい王城の中門の通りを
水々しい蛍を裾にひいて
その夏服を百合の花のやうに
この空気に点じいだし
さて、空しい空しい
読めばすぐ消えてしまふやうな
五言絶句を書いて貰はう。

穏やかな夕暮れ、異国情緒に陶然とする日本の詩人の姿が目に浮かぶようです。
檳榔樹とは沖縄でいうクバの一種ですが、唐扇でなくても葉を通る涼風が夏服を通り抜けるのは心地よいものです。
佐藤惣之助が見たのは大正の首里です。今では町並みは変わってしまいましたが、眼下に広がる海の青さや夕日の赤さは変わっていないのでしょうか。

おきなわ文学賞随筆部門で一席になった田幸亜希子さんが、いつかの新聞のコラムで、夏間近の首里を描写していました。星座降る空と首里城の対比に思いをはせる内容だったかと記憶します。
「回帰者たち」という、移住者とも引揚者とも土着者とも違う、ルーツの土地に自ら戻ってきた人の思いを体験を通してものした随筆で評価をうけた田幸さんの目標は、組踊を書くことだそうです。新聞のコラムは、佐藤の詩と呼応するように、足元に蛍のかすかな光を発見するところで結ばれていました。幻の唐の詩人の五言絶句を読むことはできませんが、足元の泉を掘る現代人の組踊はぜひ読んでみたい。今年は、県芸の5期生・黄金世代と同じ年の女性組踊作家が生まれる夏になるのでしょうか。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

亀千代

Author:亀千代
「歌たい舞うたい」と「子の会」のファンがつらつら書いてます。

文中敬称略の部分がありますが、ご了承ください。
エントリの間違いはぜひご指摘ください。

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新記事

最新トラックバック

FC2カウンター

FC2ブックマーク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。