はりくやまく

琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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振付と権利


先日の、琉球舞踊鑑賞会。第一部で重文保持者の名人芸を、第二部では先師の創作を新進気鋭の舞踊・演奏家で楽しむという企画でした。
島袋正雄先生の「作田」の歌声は、年齢を重ねることの素晴らしさを感じることができました。大城政子先生のざっくりと心のままに舞う「加那よー」のかわいらしさ。志田房子先生の違ったキャラクターを次々に踊り分ける「取納奉行」の面白さは、また格別なものがありました。

保持者の先生方の踊りの前に流れるアナウンスで、大城政子先生は比嘉清子先生、志田房子先生は仲井真盛良先生に習った型で踊っているとの紹介がありました。大城・志田先生は、玉城盛重先生に師事した後、複数の師匠について研鑽を積まれました。
大城先生は生盛貴、眞境名佳子、眞境名由康(組踊)など、志田先生は田島清郷、金城宗善などの先生方に学んだといいます。以前は、女踊りはあの先生、二才踊りはこの先生、とそれぞれの得意芸を習いに違った先生の所に行くくことは当たり前だったといいます。ちょうど、落語家が、直接の師匠以外の師匠に話を習いに行くようなものでしょうか。(自分の師匠からはほとんど話を習ったことがないと公言する噺家もいるほどです)

複数の師匠を持つことは、琉舞界でも普通のことでした。志田先生はそれぞれの先生方に感謝の思いを込めて自らの流派を「重踊流」と名付けられました。前田千加子先生の「八曄流」なども同様の名付けかたですね。現在は、一人の先生の元で、その先生の技を学ぶスタイルが主流になっています。
第二部のある演目で起きた指導者の変更は、良くも悪くも「一師スタイル」というか、流会派の権利意識が高まっていることを認識させられた出来事でした。踊りの振付には著作権が認められていています。日本舞踊の家元による振付をめぐる裁判や、バレエではベジャールの「アダージェット」を無断上演したとして慰謝料などの支払いを命じる判決なども出ています。

振付をした人が権利を主張することは当然といえば当然です。また著作権は、著作者の死後50年間は認められるということなので、後継者にも権利はあります。流派の創設者の創作舞踊に対する権利は、流派の財産として認められるのでしょう。
ただ、あくまでも一般論ですが、舞踊という身体表現を伴う芸術では、名目上の継承者と実態における継承者(上手に踊れる、的確な指導ができる)が時に違ったりするのが、厄介なところです。
沖縄音楽・民謡の著作権登録が話題になって久しいですが、琉舞の世界にもこの流れが広がるのでしょうか。著作権においては著作物が著作権者の許諾なしに利用できる場合を示す「フェアユースの法理」が注目されています。師匠の作品をのしっかりと残したいという思いも大事です。しかし、雑踊りの時代には、名人上手が踊りを共有し、練り上げてきたのを思い起こすとき、四角四面に権利、権利と言い募るのもまた、琉舞の世界を痩せさせ、発展に害になるのではないかと危惧します。
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