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琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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新作能「沖縄残月記」

新作能「沖縄残月記」
「沖縄残月記」 作・多田富雄 節付・演出・清水寛二
6月20日 セルリアンタワー能楽堂

沖縄戦を題材にした新作能の初演。原爆を描く「原爆忌」「長崎の聖母」と三部作をなす作品だ。清水は「一石仙人」、「長崎の聖母」でシテを務めるなど、多田作品にたびたび携わっている。また、沖縄県立芸大で教鞭をとるなど、今作の節付・演出・シテに適役。沖縄を踏査し、原作を練り上げていったという。事前に公表されたあらすじと比べても、登場人物の年齢(大ばんばの死去年齢 95歳→96歳)、職業(旅人→壷屋の陶工とより特定)、場所(やんばるの深い森→浦添前田の杜)、日時(清明節の十五夜→十三夜)など、変化がある。また登場人物も一人増やされた。ぎりぎりまで、真剣なやり取りがあったことをうかがわせる。終演後、能楽堂の入り口で、多田が満足の意を盤に打ち込み、清水がその肩を抱いている光景があった。制作側だけでなく、観客の心にも感動を残した。


沖縄戦を能にするというのは、珍しい試みだという。近代戦をどう古典劇で描くのか興味深かった。考えてみれば、旅の者の前に霊が現れて過ぎ去った日のことを語るという能の形式は、戦を描くのにふさわしいのだろう。砲弾の降る中、子供を抱えて逃げ惑い、子を亡くすさまは、能地謡の迫力が光った。また、今回は組踊(作者の言葉でいえば琉球舞踊と琉歌を取り入れた)。チャングやグレゴリオ聖歌などを組み込んだ能を作った経験のある多田にとっては自然な選択であった。沖縄側の出演者もこれに応えて密度の濃い作品になった。

多田は「広島は鎮魂、長崎は復活」という主題を持っているという。「沖縄」の主題はなんだろうか。



「沖縄残月記」
大ばんばカマドの霊 清水寛二
大ばんばの孫 清俊 伊藤嘉章
大ばんばの曾孫清隆     伊藤嘉寿
「月ぬかいしゃ」の女
舟魂のオンバ  志田房子
オンバに仕える里女  志田真木
歌三線 比嘉康春 新垣俊道 仲村逸夫
筝 宮里秀明 笛 宮城英夫
胡弓 又吉真也 太鼓 比嘉聰 
笛 松田弘之 小鼓 古賀裕己
大鼓 柿原弘和
後見 観世銕之丞 加藤眞吾
地頭 西村高夫



参考・公演パンフ、「能の見える風景」
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