はりくやまく

琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

組踊の未来へ

組踊の未来




8月20日
国立劇場おきなわ


県教育委員会によるユネスコ登録記念事業の公演「組踊の未来へ」は、「古典組踊と古典を踏まえ新作組踊を、未来を担う若手実演家で上演することで、組踊の歴史(古典) を踏まえた未来(新作) を展望します」との触れ込みである。そして、その名の通り組踊の未来を示唆する公演になった。

1 若手の実演家の充実
出演者は、現在活躍著しい若手ぞろいで、ここ20年間ほどの若手育成の成果が充実したものであることが分かる。出演者以外にも立方なら神谷武史さん、地謡なら花城英樹さんなどをはじめ、県立芸大、国立劇場おきなわ研修生などが控えており、層の厚みはこれからも増しそうである。

2 型の変遷・広がり
第一部は宮城能鳳先生指導・監修の「執心鐘入」だった。座主一行が鬼女を調伏するクライマックスのあと、小僧3が太鼓の音に驚く場面がカットされた。一行はそのまま上手にはけていく。

宮城能鳳先生としては、現在の国立劇場おきなわ研修生(3期)から指導するようになった型だが、公になったのは初めてではないだろうか。上品に余韻を持って終演したいとの意図だそうだ。

小僧3が、後ろを振り向いて安堵で胸をなでおろす演出は、寅の御冠船以来のものだそうだ。「1967年の記録映画では胸をなでおろし、柝のカシラで上手奥に入るこれも最近は太鼓を打ち、その音に大きく驚いて入る演出に変わっている」(矢野輝雄「組踊「執心鐘入」を読む」)

太鼓に驚くコミカルさから、上品さへの方向転換は先生らしい印象もある。
女形の第一人者とされる人間国宝で「執心鐘入」への出演や監修の機会も多く、加えて国立劇場研修生や県立芸大生の現役指導者である先生の型だけに、今後舞台にかかることが多くなると思われる。従来の型との味わいの違い・解釈の違いを観客がどう受け止めるのか興味が募る。

地謡の太鼓について、客席で隣あった演奏者の流派の重鎮が、大和風であり打ち過ぎる、島袋光史先生はこうではなかったといったようなことを漏らされた。発言の真意の吟味はこれからの課題だが、今回の公演では地謡指導がクレジットされていない。立方が主導する公演のあり方が見えてきた面もある。

3 集客

入場無料ということもあってか、ロビーまで人があふれる異例の客数だった。有料化した場合にどのように集客を図るのか。現在、トップレベルの水準の舞台を、充実したパンフレット付きで無料で公開した以上、門賃を取るなら、今回以上の水準を求めるのが観客の素直な感情ではないだろうか。出演者、スタッフへの期待は大きい。

スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

亀千代

Author:亀千代
「歌たい舞うたい」と「子の会」のファンがつらつら書いてます。

文中敬称略の部分がありますが、ご了承ください。
エントリの間違いはぜひご指摘ください。

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新記事

最新トラックバック

FC2カウンター

FC2ブックマーク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。