はりくやまく

琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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まかん道の逆立ち幽霊

まかん道の逆立ち幽霊
7月12日 国立劇場おきなわ



美女を妻にしたため他の男に奪われるのではないかと嫉妬に苦しむ夫。
その夫への愛の証を立てるため妻は自分の鼻をそぎ落とし、またと見られぬ醜い顔になってしまう。さて、この夫婦の末路は・・・。
原作・渡嘉敷守良
脚本・大宜見小太郎
補綴・八木政男
演出・指導・名波孝子




沖縄でもっとも有名だと言っていい怪談です。むかしは夏の定番演目だったとか。沖映でヒロインを演じた瀬名波孝子が演出しました。残念ながら、沖映時代の舞台は見ていないのですが、沖映バージョンは、城佐武郎のホンだったようです。
≪『琉歌全集』(島袋盛敏・翁長俊郎著)中の第二三一九「月や昔から 変ること ないさめ 変てゆくものや 人の心」という真実を裏切られた妻が詠んだ歌と云われる歌詞を取材、それに大正初期の球陽座において上演された『秋の空の口 伝』(作・渡嘉敷守良)とを合わせて創作したと云う。≫(風流者たちの精神史・浅香怜子
各劇団が競った芝居なので、いろいろ異同があるのでしょう。2007年にてだこホールで上演された時も、大宜見脚色のバージョンでした。(演出は八木正男)。
出演者は、てだこの時に比べると、ぐっと若返って、張り切っている様子が伝わってきました。

一番印象的だったのは、池城里之子の宇座仁一。供をつれて幽霊退治に出向くが、幽霊になった事情を聞き、力を貸すという役どころです。池城と言えば、琉球王朝の三司官を輩出した名家ですから、芝居でもその風格がほしいところです。宇座の胆力のある池城は良かったのではないでしょうか。また、「里之子」ですが、ただ若いだけでなく、落ち着きがあって、社会で頭角を現し始めた人物らしかったです。また、コミカルな役も得意ですから、供の前川守賢をからかったりするところも、負けていませんでした。

主役の真三郎は東江裕吉。醜女になった妻を足蹴にし、浮気のあげく、ついには毒殺してしまう悪者です。徹底的に嫌な奴の役作りをしていました。その分、妻が自ら鼻を削いでまで操を証明しようとするほどの男、という側面が減ってしまったのは残念でした。ステージガイド花風では、「四谷怪談」との類似性が触れられていましたが、伊右衛門のようなぞっとするような魅力(本当は貧乏くさい、ちゃちな男なんですよ、でも目が離せない)のある男であってほしかったです。

妻の真鶴は、知花小百合。今年は大活躍ですね。舞台でも乗ってました。そのせいか、オーバーアクションンになるところもありました。歌がもう少し客席に届けば、もっと良かったかもしれません。真三郎から薬とだまされて毒薬を渡される場面。久しぶりに触れる夫の優しさに、感動して、押し頂いて飲もうとするところは良かったと思います。


前狂言の「おとなりさん」は大伸座で上演されていたそう。芸達者の男性陣が、軽いタッチで盛り上げていました。客席もリラックスした感じで、心地よいざわざわも広がります。役者も、舞台の上で素に戻って笑っていました。こういう感じは嫌いではないのですが、国立劇場のような、良くも悪くも“りっぱな舞台”にはちょっと似合わないかもしれません。たとえば郷土劇場で見れたら、はまっただろうと思います。
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