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琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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御冠船踊り幻視1


7月25日(土)  沖縄県立芸術大学


御冠踊り研究会(代表・板谷徹)による、御冠踊り復元の試みで、村踊りを手掛かりに研究を進めているとのことです。「組踊にドラマと若衆を取り戻し 二才踊りに若さ甦らせ 女踊りにおなりがみの世界を再現させる」というテーマを掲げています。国立劇場おきなわや又吉静枝先生の試みともまた違った、興味深い公演でした。

組踊「執心鐘入」「義臣物語」に端踊りが4曲の構成でした。橋懸を擁した仮設舞台に、久米島の喜久村家が首里王府から拝領した、波に鶴模様の幔幕の写し(国立劇場おきなわの新幕も同じモチーフですね)を巡らせています。国立で御冠船の舞台を作ったとき、屋根と柱が省略されていたのが残念だったので、野外の今回は全部あるかと期待していましたが、こちらでも略されていました。

公演プログラムには、研究の理念が書かれていましたが、実際の舞台でのポイントが示されれば(例えば、団扇踊りのどこが御冠に近いのか、組踊演出の異同など)、もっと良かったと思います。報告書がまとまれば読んでみたいです。


●女踊り「団扇踊り」(恩納村世良垣)
 地元で踊られている形よりもさらに遡って踊り方を研究したそうです。「特牛節」~「久米島阿嘉節」の構成です。「女特牛節」と同じ歌詞ですが、大団扇を使わず、小ぶりの「竹田」で使うような団扇でした。歩みがすり足でなく、波打つような進み方でした。

●二才踊り「笠口説」(恩納村恩納)、「下り口説」(恩納村名嘉真)
 二曲とも地元で現在踊られている形だそうです。
 「笠口説」は「口説」~「湊くり節」の構成で、芝居のなかで練られてきた舞台芸としての「湊くり節」とは違った魅力がありました。「下り口説」は舞台芸と曲・歌詞ほぼ同じようです。裾を膝まで高くからげ、杖を投げ出さんばかりに大きく大きく踊っていました。

●女踊り「綛掛」
  文献をもとにした復元。「伊計離節」~「あかさ節」~「百名節」の構成です。新聞社のコンクールの時期でもあるので、七踊の「かせかけ」は見る機会が多いですが、「うりずんクェーナ」からの展開ととらえていると聞くと、全く違った印象です。琉舞の舞踊家も入端に「百名節」か「さあさあ節」を加えて踊る例が最近目につきますが、近代における変貌を一番感じる演目でした。

●組踊「義臣物語」
 田里朝直の作品で、徹底した悪人が出てこない、祝儀性を強く意識した作品だと評価されています。初演以来、すべての御冠船で上演され、地方への伝播も早い時期に行われています。糾しの場での国吉の比屋(神谷武史)と鮫川の按司(宇座仁一)が舞台をしっかりと引き締めていました。「カッコいい」と声が掛っていました。
「若衆の復活」というテーマをさておいても、若按司役の浦崎えりかさんが、良かったです。背格好などは子役のようで、声の調子も最初は「この男の子上手」と思って聞いていました。組踊では女方の魅力というものもありますが、性別未分化の若衆の場合は男女にかかわらず挑戦してもいいのではないでしょうか。重文指定前の、女性が出ていた頃の舞台を彷彿とさせました。
             参考・「御冠船踊り幻視」パンフ。国立劇場おきなわ公演資料
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