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琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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新進舞踊家の会

新進舞踊家の会
9月19日 国立劇場おきなわ

 演出は「男性舞踊家の会」に引き続き金城裕幸が担当。清新かつエネルギーにあふれる舞台を目指したという。昨年の「新進舞踊家の会」よりも出演者が若返り、せりを使った登場の「四つ竹」(島袋本流)から創作「太鼓ばやし」(玉扇会)まで雑踊と創作を中心に14演目が休憩をはさんで展開された。暗転・明転をうまく組み合わせ、歌三線を保存会と絃声会が交互に担当することでスピード感にあふれた流れをつくりだした。どこかで聞いたことのあるような歌詞解説や踊り手の名前のアナウンスで舞台の流れを断ち切ることが無かったのは良かった。

 勢いのいい反面、味わいや余韻を楽しむ余裕がなかった感じもあった(上手な漫才はジェットコースターのように喋りまくりギャグ満載でも、客が笑えるように演者が間をつくっている)。今回の公演は、せっかく全体の流れを意識した演出なのだから、演目の比重にメリハリをつけて、目玉の踊りはこれだと示しても良かったのではないか。全演目が強調された結果、均質になってするっと流れ落ちた感じがある。締めくくりの「ヤカラ」「太鼓ばやし」が思ったほど盛り上がらなかったのもそのせいかもしれない。
 
 終演後のロビーでご老人の団体が記念撮影をしていた。はればれと「若くなった」笑顔が満足感を語っていた。とはいうものの、「琉舞ファンの若返りや拡大をはかりたいというおもわく」(金城)からいうと、敬老の日が近いとはいえ、客席の平均年齢がいつもよりも高い印象が残ったのはどうなのか。制作部門と販売部門の意思疎通を一段と進めてほしい。

 7月にポスターが貼られてからずっと楽しみにしていた喜屋武愛香(真境名本流)がよかった。「いちゅび小」はかわいらしくはつらつとした踊り。小動物みたいな動きや、「また明日」と軽く肘鉄をして帰るところなどツボ。「浜千鳥」は3人で踊ったせいか隊列変化はなく、一人踊を並べた構成になっていた分、個人のよさを堪能できた。もっと表に出てほしい舞踊家の一人だ。11月7日には県立美術館で師匠の真境名英美との「糸満乙女」、また国立劇場でも真境名本流創作集がある。

知花小百合(朱之会)は得意の男踊りで魅力満開。「上り口説囃子」はウケハチマキもピシッときまり、「武技の舞」の六尺棒を天に突き上げて片足立ちになったところなどは、ほれぼれとするほど格好いい。

 扇寿会の「獅子舞」は幾何学模様の衣装がアジア風で霊獣の広がりを連想させる。「金細工」は両家元の感じがもっと出てもよかった。玉扇会は「日傘踊」と「太鼓ばやし」。島袋本流は「四つ竹」「谷茶前」でまとめてきていた。大北満之会が「むんじゅる」「取納奉行」。

 女性舞踊家は流会派の推薦で、男性舞踊家は県立芸大OBから選んだそうだ。
「畑どぅない」は東江裕吉、佐辺良和が対照的な女性像。ふっくらとしてきた東江は、からじも大きく結って登場。川満香多が相手なこともあり年下の男を手玉にとるちょっとしたふてぶてしい雰囲気も悪くはないけれど、きれいな姿が見たいとの声にも同感する。佐辺は具志幸大とコンビでそそとした感じ。この間の「収納奉行」と同じ衣装なのに、印象が変わってくるのはおもしろかった。

 期待の「ヤカラ」は、いまひとつ盛り上がりに欠けた。ひとりひとりは上手に踊っているし、三線も6人でにぎやかなはずなのに、なぜだか不思議だ。出囃子で舞台がせまかったためか。櫂なんか落としてもいいし、ぶつかってもいいから、もっとエネルギッシュに盛り上げてほしかった。舞台の流れが押せ押せで、見ているほうが息切れしてしまったのかもしれない。27日に、踊り手を一部変えて那覇市民会館で舞台にかかった時には、広い舞台で輝きの片鱗を見せていた。

 地謡は第一部が陰囃子、第二部が出囃子。
神谷大輔は「作田」の地謡をしたときにボヤっと焦点が定まらない感じがあったが今回は安心していられた。
安定感のあった絃声会に対して保存会のほうは作曲家の江村哲二の言葉を借りると<ライブですから、素晴らしい演奏家でもすごく調子が悪かったとか、音楽の世界では起こりうることですね。たまたまそこに当たってしまったら、残念でしょうがない>。一人は22日、27日にあった公演にも出ていたけれど、本調子を取り戻すにはもう少し時間がかかるか。もう一人は、ライブハウスでギターを弾いているみたいだった。
 入嵩西諭の笛、宮里和希の太鼓は楽しげで、箏の仲大千咲も落ち着いていた。

参考・『華風』2009年9月号
  『音楽を「考える」』(茂木健一郎・江村哲二)

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