はりくやまく

琉球舞踊・組踊・古典音楽を見たり、聞いたり、のメモ

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歌たい舞うたい プログラムB後半

創作歌舞集「歌たい舞うたい 干支せとら」

沖縄の昔話にもある十二支の由来記をベースにした物語。十二支の住む大工廻山に人間のペットの猫が手紙を持って現れる。そこには近々山を切り開くので出て行くようにと書かれていた。動物たちは山を守るために、猫との走り勝負に挑む。脚本・嘉数道彦、音楽構成・花城英樹、振付構成・阿嘉修、呉屋かなめ。

ねずみのマチュー(阿嘉修)、猫のシャールロット(呉屋かなめ)をはじめ、出演者全員にキャラクターにあった役を当てたのが成功の大きな要因で。森のマドンナ・兎のウサ小(新垣)に惚れている龍の金松(東江)と馬のジラー(嘉数)。犬のサンラー(宇座)と猿のモーサー(松田)夫婦。牛のカマデー主(大田)と羊のナバーハーメー(藤田)。ガチマヤー猪のマカテー(知念)と鶏カマドゥ(国場)。虎千代ヤッチー(知花)。クールで色っぽい蛇のチラー(山城)。走り勝負の実況はカエルのサネ吉(高宮城実人)。とほかの役は考えられないほどハマっている。それぞれのテーマ曲にも小ネタが効いているし、十二支が立ちあがるシーンの口説など音楽もふんだんだ。

聞き覚えがある昔話を元にしており、言葉もわかりやすくなっているので、学校公演などでもよいのではないだろうか。嘉数さんたちは以前『スイミー』を組踊化して子供たちのワークショップをしたことがあったし、他のメンバーも古典の組踊で離島など学校を回った経験があるはずだから、その点はなれていると思う。

この物語には優しさと多様性が満ち溢れている。日頃は周囲から軽く見られている存在のマチューが結局は森を救う。ジラーは4人の子供を抱えたシングルファーザーで、犬と猿が夫婦だし(沖縄だと犬と猫か)、普段は集団を斜めに見ているだろうチラーにもきちんと居場所がある。カマデー主とナバーハーメーもリスペクトされている。カマドゥは冒頭で〈夜が明けるから〉と時をつくるのを止められるところでは雄鶏っぽいが、話が進んでくると卵がどうのこうのと雌鶏っぽくなりと境界線上の存在とも読める。
戦いに負けたシャールロットを十二支たちが受け入れるという結末もいい。
もともとは森の出身だったことが明かされるシャールロットは、十二支に許され、森に住むことになるとこれまでのザーマス的なヤマトグチをやめ、ウチナーグチを話す。ヤマトグチ=人間界・不純、ウチナーグチ=森の住人、純、といった見取り図は昨年夏のキジムナーフェスタで上演された加藤直版『美女と野獣』でも見られる。『干支せとら』の初演は2008年春なので、こちらのほうが早いが、出演メンバーでかぶっている人もいるので、再演に当たって意識した部分があるのか、聞いてみたい。

付記
Bプロ昼の部には、東門沖縄市長が見に来ていた。馬のジラーは、東門市長は話がわかる人だからと森を何とかしてくれるよう訴えに行くと話す。泡瀬干潟の問題で「何とかしてくれ」と託されて当選した市長はどう聞いたのだろうかと目をやると楽しそうに笑っていらした。
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